母の夢

一時期管理人にお嫁さんが来そうだったころ。母がその女を夢に見たときのことです。
レビー小体型認知症の母は、薬が効いているせいか、よく眠ります。
「かあさん、よく眠るね。一日22時間は寝てるね」
「そんなには、寝てないよ。テレビも見てるし」
レビー小体型認知症の母が反論します。一日によく行くトイレ、三回の食事、風呂これ以外はほとんど寝ています。だから一日に2時間くらいしか起きていません。
「よく寝るから、猫と一緒だね」
「わたしは、ネズミ年よ」
「よく眠るから、眠りばあさんだね」
「失礼よ、眠り姫と言いなさい」
レビー小体型認知症の母とたわいない会話をします。
管理人の体を、幸福感が包みます。
「眠り姫さん、もうじきお嫁さんが来るから、よかったね」
「もう、夢であったよ」
「どんな人だった」
「やさしい人だったよ。こんばんわと言ったから、わたしもこんばんわと言ったわ」
「ほかには、何か言ってなかった?」
「もっとしゃべりたかったけど、すっと寝ちゃったわ」
「残念だったね」
「うん、もう一回見るからいいわ」
最近笑うことのなかった母が、よく笑うようになっています。
「今度お嫁さんの夢見たら、寝ないようにしないとね」
頼みますよ、眠り姫様。
[ 母との思いで(日記) ]
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